花火の国際会議 有賀拓郎

急に暑くなってきたので、いっそ夏になってしまえばいいのに💦

花火大会は隅田川くらいしか行った経験はありませんが、大曲の花火大会は一度でいいから行ってみたいですね。壮観そうだ。

gigazine.net

やっぱ今時は人力じゃなくて機械仕掛けで点火、なんですね。

進行時間とかあるだろうし、なにより危険回避できるならその方がいいかも。

花火は日本だけでなく、世界中で楽しまれているエンターテインメントの1つです。2年に1度、世界中の花火関係者が集まり研究結果の発表や展示会などを行う、「国際花火シンポジウム」が行われているのですが、オリンピック同様、開催毎に世界各国に会場を移して行われるため日本で開催されることはなかなかありません。その国際花火シンポジウムが、2017年4月24日から28日にかけて秋田県大仙市大曲で開かれることとなり、同時に4日間にわたって花火大会も開かれるということで、「この機会を逃すわけにはいかない」と1週間秋田に滞在し、国際花火シンポジウムのトレードショーと花火大会を見てきたので、イベントの様子や花火についての知識などをまとめてみました。

International Symposium on Fireworks - Pyrotechnic industry conference
http://www.isfireworks.com/


◆国際花火シンポジウム前日
大曲駅近くにあるイベント広場にて前日際が行われるということで、 国際花火シンポジウムが開催される前日に秋田入り。秋田空港の荷物の受け取り場に、国際花火シンポジウムのポスターが掲示されていました。


空港の出口では、スタッフが海外からの参加者を案内しています。


大曲駅に到着。国際花火シンポジウム開催までのカウントダウンも「あと1日」の表示です。


大曲駅近くのイベント広場にて前日際が行われていました。


海外からの参加者たちもイベントを見に来ています。


物販コーナーでは、花火の火薬に見立てた黒い豆のお菓子や花火のデザインラベルのお酒など花火をモチーフにした商品も多く売られていました。「花火鑑賞士認定試験」で講師をしていた花火研究家でもあり、カネトク卸総合センター株式会社代表取締役小西亨一郎氏とここで再会。


会場横では、この日のイベント最後に打ち上げられる花火を職人たちが準備している様子が見られました。


大曲の花火大会の歴史をテーマとしたミュージカルでは、英訳されたせりふがディスプレイに表示され海外からの参加者に対する配慮も。


前日際の締めで行われた花火ショー。


大音響とともに一斉に打ち上がる花火。小規模な花火でもこれだけ近いと迫力があります。


前月行われた「新作花火コレクション」でプライベート花火を作成してくださった響屋大曲煙火株式会社齋藤健太郎氏に会い、安全確認や点火の指示を出す様子など、早くも花火に関する作業を間近で見ることができました。


◆国際花火シンポジウムトレードショー会場に滞在
2017年4月24日から4月28日の5日間で行われた国際花火シンポジウム。シンポジウム本会場では、専門家による論文の発表や討論などが行われました。その本会場の近くで行われているトレードショーは、一般の人でも見学が可能でした。

大曲駅前のカウントダウン表示は「開催中」という表示に変わっていました。


トレードショーが行われている会場に到着。


会場に入るには受付にてカードを発行してもらう必要がありました。


早速、トレードショーのルーム1へ。


花火大会だけでなく、イベントやコンサートなどの演出に使われる機材の業者も参加しています。


海外の花火玉、丸いものだけでなく、円柱形のものもありました。


こちらは、FireOneという会社の製品で、点火の指示を出す「点火器」と呼ばれる機械です。この機材は日本でも多くの花火業者で使われているとのこと。


日本語のパンフレットも置いてありました。0.01秒単位で点火のタイミングをコントロールできることや上位機種ほど多くの花火を制御できるなど、製品の仕様が書いてあります。


日本企業のブースを見つけました。後藤金属工業株式会社では、花火を打ち上げる筒や火薬を扱う際に必要な道具などを作っています。日本で花火を打ち上げる筒を作っている業者は少なく、花火業者向けに大量生産を受注できる会社は3社ほどとのこと。


打ち上げ用の筒は、何号玉ではこれという決まったものではなく、用途によって大きさや長さが変わること。筒の底は平らなものと凸状のものがあり、花火師の好みによってどちらにするか選ばれていること。花火師から新しい演出が提案された際には、それを実現するためにオーダーメイドで新しい筒を作っていることをお教えてもらいました。


万が一、事故で予期せぬ爆発が起こってしまった際にも一気に飛び散ってしまわないような加工が施してあったりと、安全対策もしっかり行っているとのことです。


トレードショーのルーム2へやってきました。こちらにも花火の筒を作っている日本の業者ファクトリーアートのブースがあります。海外の業者の人が何か伝えようとしているので聞いてみると「スターローリング」という単語が何度も聞こえてきます。


どうやら打ち上げ花火で光り輝く「星」 と呼ばれる火薬を加工する機械「星掛け機」のことを指している様子。シンポジウム前半では「スターローリング」を見せて欲しいという話をしている場面をよく見かけました。写真は「『冬の花火会社って何をしているの?』花火の知りたい事が分かる動画を制作している花火師にインタビュー、花火工場も見学してきました」の記事中に登場した加藤煙火株式会社の工場にある星掛け機です。


このブースで通訳兼手伝いをしていた鶴岡慶子さんは、花火鑑賞士でもあるとのこと。


「海外の方が日本の花火の筒について、何か興味持っていることや聞かれたことはありますか?」と鶴岡さんに聞いたところ、「筒の先端が丁寧に加工されていてツルツルしていることに驚かれている」とのことでした。


初日は、遠くから様子を伺うだけだったものの、2日目からはブースの人たちからも声を掛けられることが多くなりました。Pyrodigitalの機材も日本で多く使われています。


どういう役割をする機器なのか、どういう操作をするのかなど、一般参加者にも関わらず、丁寧に説明をしてくれました。こちらの機器はモジュールと呼ばれるもので、点火器から指令を受け、ケーブルに電流を流して着火するための装置です。この装置から花火の筒1本につき1本のケーブルをつなぎます。


この秋に発売予定の最新の点火器の試作品とのこと。1台で制御できる花火の数が格段に多くなっているそうです。


会場を歩いていると、花火鑑賞士認定試験で「花火の構造や打ち上げ方法について」の講師を務めた株式会社小松煙火工業の小松忠信氏(写真右)が海外の関係者と話をしている場面に遭遇。試験当日は、話ができなかったので、ここで花火鑑賞士試験のお礼などを伝えました。


株式会社丸玉屋小勝煙火店の小勝康平氏(写真中)は、イタリアの花火業者Parente Fireworksで仕事をした経験もあり、会場で久々に世話になった仲間に会ったとのこと。小勝氏には、機材の説明や海外の花火関係者を紹介してもらうなど、期間中大変お世話になりました。


国際花火シンポジウムに合わせて行われた花火大会の2日目に打ち上げられたスペインの花火は、ピアノの鍵盤のようにリズムに合わせて打ち上げられる仕掛け花火の演出がとても好評でした。

国際花火シンポジウム花火大会で好評だったスペインの花火の様子 - YouTube


そのスペインの花火を製作した花火業者RicasaのRicardo Caballer氏に、スペインの花火について質問してみました。


GIGAZINE(以下、G): 
花火大会2日目に打ち上げられたスペインの花火、特に仕掛け花火が素晴らしかったのですが、どうして仕掛け花火を使っているのですか?

Ricardo:
スペインは、Passion(情熱)の国です。観客を興奮させる演出として、仕掛け花火を使っています。

G: 
動きのある楽しい花火でした。

Ricardo:
スペインは日本と同じくらいの歴史があります。日本では、1発1発の花火の美しさも評価するという文化がありますが、スペインでは情熱を表現することが重要視され求められるので、迫力や演出に工夫を凝らしたプログラムを組み立てなければいけません。

G: 
日本の花火はどう思われていますか?

Ricardo:
日本の花火は、とても美しく素晴らしい、大好きです。

G:
ありがとうございました。

『花火って作る会社によって違いがあるの?』花火の秘密や花火大会を見るポイントなどを現役の花火師に聞いてきました」でインタビューした加藤氏はじめ加藤煙火店の花火師たちもトレードショーに来ていました。


打ち上げる花火が、観客からどのように見えるのかCGでシミュレーションできるソフトの説明を受けています。


トレードショー最終日、花火玉にクラフト紙を貼る「玉貼り」という工程を自動的に行う機械が登場。

花火玉にクラフト紙を貼る工程を自動化した自動玉貼り機の動作の様子 - YouTube


少しずつ花火玉をずらしながら均等にクラフト紙を貼っていきます。残念ながら日本の花火玉はこの機械では、玉貼りをすることができません。理由は、日本の花火玉には導火線があらかじめ埋め込まれ突起がある状態となっており、この機械ではうまく回すことができないとのこと。海外の花火玉は丸い玉を作りクラフト紙を貼ってから、導火線を付け足すという工程で作られるので、このような機械化が可能とのことでした。


こちらの機械は、切り星と呼ばれる星を作る機械です。切り星とは、生地から型を抜いて作るクッキーやドーナツなどと同じように、火薬を型抜きして作られる星のことを言います。「星掛けで作られる丸い星を作る工程では、最初の芯の部分を育てるのに時間がかかるが、それを切り星で代用することで、作業効率を上げることができます」とのこと。「競技会で競われる割物など職人技が必要な花火は手作りでなければ作ることはできないが、単純なものであれば機械化して負担を軽くしたい。これからの花火は、伝統を守りながらも効率化も必要です」と言われる花火師もおられました。


国際花火シンポジウムでは、海外からの参加者に日本の文化を紹介するイベントも同時に行われていました。初日は、餅つきがあるということで、ボランティアで参加している地元の高校生が声を掛けていました。


餅つきを見せるだけでなく、実際に体験してもらっています。


利き酒コーナーもありました。日本のお酒を飲むことを楽しみにして来た参加者も多く居たとのこと。


他にも、書道や生け花、着物の着付けに琴の演奏など日本の文化を体験できるイベントが、行われていました。


国際花火シンポジウムでは、多くのボタンティアスタッフが海外からの参加者に積極的に声を掛け「困っていることはないか」など、参加者への気配りが随所で見られました。「昔から花火が好きで、このイベントを手伝うことができ、とても嬉しいです。今日は午前中までだったので、花火業者の人にいろいろ聞きたいことがあってブースを回っています」というボランティアスタッフ。手に持ったメモにはぎっしりと日本語文と訳した英文が書かれていました。


初日は八分咲きだった桜も、5日目の最終日では桜が散りはじめています。まだまだ、聞きたいことがありましたが、残念ながら時間切れです。


◆国際花火シンポジウム花火大会「世界の花火」「日本の花火」
国際花火シンポジウムに合わせて、4日間に渡って花火大会が開催されました。大曲で行われている全国花火競技大会で最優秀賞である総理大臣賞を取った歴代の花火業者各社の創意工夫にて作られたスターマインや、日本の花火業者による割物花火の競演、そして、海外の花火を見る事ができました。
花火大会のチケット。4日分まとめて事前購入していたのでチケット代は5000円(税込)でした。


打ち上げ場所は、全国花火競技大会が行われる雄物川の河川敷です。


公式のパフレットには、英語のプログラムも掲載されていました。


花火会場では、FMはなびの花火大会実況生放送が行われ、プログラムに書かれていないマニアックな情報や打ち上げられている花火の詳しい解説を聞くことができました。左から、FM花火パーソナリティの藤田浩士氏、NPO法人大曲花火倶楽部の富樫真司氏、同じくNPO法人大曲花火倶楽部の小西亨一郎氏。


初日は、カメラ席で待機。


オープニングは、ドラゴンクエストの序曲に合わせて、色鮮やかな花火が打ち上がりました。


日本の花火で1番目に登場したのは、山梨県の株式会社山内煙火店。テーマは「世界に咲かせよう日本の花」ということで、前半は日本で古くから打ち上げられている和火を使った花火を中心とした構成ですが、消え際に白く輝く、パラパラと音を鳴らす、花火が蜂のようにバラバラに飛んで行くなど、日本で見られる花火の演出を和火を使って全て表現したようなプログラムでした。


後半は、色鮮やかな洋火も使った構成に。8分間という花火の1プログラムとしては少し長め時間が割り当てられており、前半は自社のオリジナルの花火玉をじっくり見せるパート、後半は最新の演出を駆使したにぎやかなパートという構成で打ち上げられていました。


世界の花火では、実際に海外で打ち上げられている花火を見ることがでます。カナダは、BGMを流しつつゆったりと花火を打ち続けるという演出が特徴的でした。


日本の花火では1発の花火の芸術性を追求する職人の腕の見せ所、割物という花火があります。2重3重の芯が入っていたり、様々な色の変化をする割物は海外の花火業者に大変好評でした。写真は、「昇曲付三重芯変化菊」小泉英一(新潟煙火工業株式会社)。


中でもこの花火は、一斉に丸い小花が開く様が美しいと高評価で、海外の業者から問い合わせが来るほど印象的な花火だったとのことです。「昇天銀竜万華鏡写輪丸」久米川正行(和火屋)


初日2番目の日本の花火では、株式会社小松煙火工業の花火が次々と打ち上げられました。パラシュートを使い、花火を空中にしばらく浮遊させるなど、「日本の技術を世界の花火業者に知ってもらおう」という意気込みが伝わってくる花火が次々と打ち上げられます。


途中、三重芯、四重芯と順番に上がり、さらに空高く上がった花火が、大きく見事な五重芯を咲かせた際には、「おぉ」と思わず声を上げてしまうほど。


花火大会2日目は、最前列の前に仕掛け花火が用意されていたので、カメラ席ではなくチケットで取れた席で花火を見ることに。


用意されていたのは、スペインの花火の演出用の仕掛け花火でした。日本でも仕掛け花火は、花火の開始時や途中の一部の演出として見ることがありますが、スペインは全編にわたって演出として利用しており、右へ左へと会場いっぱいを使った仕掛け花火の演出に歓声が沸き起こります。


1つのプログラムが1つの花火大会を行っているような演出で構成されているため、クライマックスの演出でよく使われる「冠菊」とよばれるキラキラと降り注ぐ花火が上げられる機会が多く、前列付近ではまさに空から星が降ってくるような感覚を味わうことができます。この冠菊の演出を堪能するため、残りの大会期間はすべて前列に座って見ることにしました。


3日目の最後には2尺玉(直径約60cm)の打ち上げも。尺玉(直径約30cm)までは一般の花火大会でも見る機会がありますが、2尺玉以上の大きさとなると、打ち上げること自体が話題になるくらい、めったに見られるものではありません。

ゆっくりと昇り空一面に広がる2尺玉 - YouTube


花火大会の後は、この花火大会に合わせて開設されているFMはなびの臨時の屋外バーで過ごしました。大会3日目の夜には、海外からの参加者も多く集まり、フランスの団体がオー・シャンゼリゼを歌い出すとサビの「オー・シャンゼリゼ」を皆で大合唱するなど大盛り上がり。しかし、フランスの方も2番の歌詞を知らずハミングで「フフフ~ン」とごまかしだすと皆で大爆笑。「日本のお酒・日本の花火は素晴らしい!」と話しかけてきたり、「おすし屋さんは近くにありますか?」と質問されるなど、シンポジウム会場以外でも参加者とのコミュニケーションがあり、和気あいあいとした雰囲気で楽しく過ごせました。


花火大会最終日は、土曜日ということもあり、大勢の観客が集まってきました。


最終日も前列の席から花火を見ます。このような複数の花火を次々と打ち上げるスターマインの演出で、1番目立つ大玉は、芯が1つのものだったり、土星やきのこなど型物という花火を使うことが多いのですが、このスターマインでは芯が2つある八重芯という花火が使われています。


この日は、無風に近い状態で花火の煙が停滞してしまい、花火が見えなくなってしまうことも。


しかし、「煙が晴れるまでお待ちください」ということで、花火がきれいに見られる状況まで打ち上げは中断。この日は予定よりも50分近く終了時間がオーバーしてしまいました。


すべての打ち上げプログラムが終わり、片付けを始めようと席を立ったところで「サプライズ花火として、2尺玉の打ち上げを行います」というアナウンスと共に2尺玉が打ち上がります。まさにビッグプレゼントが観客に送られ、4日間にわたる国際花火シンポジウム花火大会が終了しました。


ペンライトや携帯の画面を振って対岸の花火師に感謝を伝えます。自主的にこのようなパフォーマンスをする人たちが多く見られるのも、花火好きが集まる大曲ならではの光景です。


4日間の花火大会では、各花火業者が自分たちの技術を惜しげもなく披露し、「最高の花火ショーを作ろう」という意気込みが伝わってくるほど、充実した内容の花火が上がっていました。これまでは、動画でしか見ることができなかった花火業者の特徴のある花火も実際に目で見てみると色や動きなどより違いがはっきりとわかり、「やはり動画や写真では本当の色や動きを伝えるのが難しい、生で見ることが1番」ということを再確認。今回、2日目からは席での観覧となったため花火業者による花火の違いについての詳しいレポートができませんでしたが、今後各地の花火大会をレポートする際には、花火の内容を詳しく紹介する予定です。

◆1週間の国際花火シンポジウム滞在を終えて
海外の参加者たちからは「大曲という街が素晴らしい」「子供から大人まで街の皆が自分たちに積極的に話しかけ気に掛けてくれた」など、おもてなしが素晴らしく、花火の街として市民全員、街全体が花火を愛しているということが伝わったとの感想が聞かれ、大曲の関係者からは「国際花火シンポジウムが終わったので幕を閉じるということではなく、大曲の花火をさらに発展させていく」という意気込みも伺いました。今後、どのように大曲の花火が発展していくのか注目してみる必要がありそうです。

 

 クラフト紙を均等に貼る作業は緊張して震えそうだな・・・

一度花火づくりの見学もしてみたいんですよね、みせてもらえるものなんだろうか?