近未来は意外と近い? 有賀拓郎
根っからの眼鏡派眼鏡党の有賀拓郎です👓
コンタクトレンズはどうにも合わない体質らしく・・・・
そんなコンタクトレンズでガン検査も出来てしまうという、魔法みたいな
いや、近未来的な技術がいよいよ現実化してくるんですかね
血糖値が低すぎますよ、臓器に問題ありますよ ー このように健康診断してくれるのは、なんとコンタクトレンズ。米国オレゴン州立大学の研究者が、超薄型トランジスタ技術を活用し、バイオセンシング用コンタクトレンズの実現に迫っています。
使い捨てのコンタクトレンズでガン検診も可能?
オレゴン州立大学の教授Gregory Herman氏が率いる研究チームは、コンタクトレンズに組み込んで、涙からさまざまな症状の検出ができる透明なバイオセンサーを開発しました。現在、ラボでテストされたプロトタイプが検出できるのは血糖値だけですが、将来的には、他の病気、おそらくガンを検出する可能性があるとチームは考えています。このような未来のコンタクトレンズが薬局の棚に並ぶまでには、まだ数年かかるでしょうが、この非侵襲的な診断装置を構築するに必要な技術は、すでに豊富に存在しています。今回の研究は、米国化学会の第253回全国大会で発表されました。
こちらはAmerican Chemical Societyが公開した、研究の概要を紹介する動画です。
プロジェクトに着手したとき、Herman氏は糖尿病患者をサポートする、より良い方法を模索していました。現在、糖尿病患者は、皮下に埋め込んだ電極で血糖値を継続的にチェックできますが、このようなモニタリングは痛みを伴い皮膚の炎症や感染を引き起こす恐れがあります。しかし、使い捨てのバイオセンシング用コンタクトレンズは、より実用的かつ安全で、はるかに身体への侵入性の少ない手段なのです。
スマホと同じ半導体を応用
数年前、Herman氏は同僚とともに、酸化物半導体「IGZO」を活用するアイデアを思いつきました。これは、高解像度テレビ、スマートフォン、タブレットを可能とした、エレクトロニクスに革命をもたらしたものと同じ半導体です。IGZO液晶と、一時期よく聞きましたよね。Herman氏は、診断医学にこの技術を適用したいと考えているのです。
実験装置の概略図
コンタクトレンズのプロトタイプを作るため、研究者たちは透明なIGZOトランジスタとグルコースオキシダーゼ(グルコースを分解する酵素)を含むバイオセンサーを製造しました。このバイオセンサーが涙のグルコースと接触すると、酵素が血糖を酸化します。すると混合物中のpHレベルが変化し、IGZOトランジスタの電流に測定可能な変化が起こります。微小なナノ構造がIGZOバイオセンサー内に埋め込まれ、透明なデバイスが涙の微小なグルコース濃度を検出する仕組みです。
さらにHerman氏は、2,500以上のバイオセンサーがIGZOコンタクトレンズの1ミリ平方のパッチに埋め込まれ、それぞれが異なる身体機能を測定する設計を想定しています。
肝臓病や緑内障、ガンを涙から検出
「涙には、チェックできる情報量がかなりあります」と、Herman氏は米Gizmodoに語っています。 「もちろん、グルコースだけでなく、乳酸(敗血症、肝臓病)、ドーパミン(緑内障)、尿素(腎機能)、それにタンパク質(癌)もある。私たちの目標は、単一のセンサーから複数のセンサーにまで拡大すること」だそうです。現在のモデルではグルコースの検査しかできませんが、この技術が他の化学物質を嗅ぎ当てるために活用できるかどうかは、今にわかるでしょう。
こちらのセンサーはまだ開発段階にあり、コンタクトレンズには組み込まれていません。ゆくゆくはこの装置の改良版で、無線周波数(RF)を介して受信機にデータを送信するのが理想です。今のところ、プロトタイプはセンサーの外部にデータを送信せず、人力で装置の電流を測定して値を読み取っているようです。
Googleの「スマートコンタクトレンズ」に酷似
Herman氏は、このソリューションは2014年にGoogleが提案したものに酷似していると、みずから述べました。しかしHerman氏の研究なら、トップ画像のような構造を完全に見えなくすることができると考えています。
Googleの「スマートコンタクトレンズ」は、透明なIGZOトランジスタの代わりに、小型の無線チップと、ソフトコンタクトレンズの材料の2つの層の間に埋め込まれた小型グルコースセンサーを利用しています。2014年時点での写真では、そのチップなどが確認できます。
コストの問題は未解決
コンタクトレンズが使い捨てであることを考えると、装置のコストを抑える必要がありますが、Herman氏は 「携帯電話やIGZOの薄膜トランジスタによく似た技術を使用している」ため問題ではないとのこと。「携帯電話のスクリーンに使われる100個のトランジスタは10セント(約11円)にも満たない」そうです。しかし研究チームは、IGZOのエレクトロニクスを作るための安価な方法を開発しましたが、「まだ他のコストもかかる」と認め、製品としての低コスト化はまだ未解決の問題のようです。
研究者の理想としては、 このバイオセンシング用コンタクトレンズの動物実験を1年以内に開始したいと考えているとのこと。Herman氏のチームが米国化学会で発表したこの研究は、すでに科学誌Nanoscale および Applied Materials & Interfacesに掲載されています。興味のある方はぜひ!
image: Jack Forkey/Oregon State University, Xiaosong Du et al., 2016 via Gizmodo US
source: American Chemical Society, American Chemical Society - YouTube
reference: Nanoscale, ACS Applied Materials & Interfaces
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(Glycine)
なにかにつけてコスト面はなかなか頭の痛い問題ではありますが、将来的には実用化そして普及したら便利そうですし、時間がかかるかもしれないけど、コスト面もクリア出来るといいですねえ